29階の思い出

プロポーズの夜は私のすむ町の灯りを数えながら
夕食をとったあの日だ。
建築関連の仕事をする彼が携わったホテルに泊まった私の誕生日。
記念日が好きな彼らしい見え透いた戦略にテレ笑いが隠せなかった。

今日は何年かぶりにその場所に出かけた。
町の灯りに少しだけ気持ちが飛んだ私がいた。